持続可能性パフォーマンスと財務パフォーマンスおよびインセンティブの連携
当社は、環境・社会・ガバナンス(ESG)のパフォーマンスを、年次決算報告書と合わせて利害関係者に報告しています。当社は、実績をシニアリーダーシップ評議会の年目標に照らして評価します。目標を設定後、すべてのビジネスユニットに伝達します。この情報は、社内の製造、サービス、その他のオペレーション部門に周知されます。
持続可能性目標を達成し、それを上回る成果を上げることが、会社全体の成功に不可欠です。これを全社で促進するために、ハイパフォーマンス達成のインセンティブを設けています。CEOが設定した年間排出削減目標を達成すると、コーポレートエグゼクティブチームに報酬が与えられます
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | インクルージョン&ダイバーシティを主な責務とするグローバルインクルージョン評議会は、シニアリーダーシップ委員会のメンバーで構成され、当社の4つの地域インクルージョン評議会と協力して取り組みを指揮します。各地域のビジネスリーダーで構成される地域インクルージョン評議会は、地域に合わせて取り組みを調整し、 インクルージョン・イートンリソースグループ(iERG)と連携して、その活動をサポートします。 グローバルインクルージョン&ダイバーシティ担当バイスプレジデントは、最高人事責任者(CHRO)への報告責任を負います。また、インクルージョン&ダイバーシティのすべての活動の指示、決定、および調整を行うチームを率います。チームはグローバルインクルージョン評議会と四半期に1回、および取締役会と年1回、共同会議を持ちます。 すべてのリーダーは、その職務と組織におけるインクルージョンとダイバーシティの実践に責任を持ち、すべての従業員は、インクルーシブな環境づくりに責任を持ちます。 |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | シニアリーダーシップ委員会のメンバーで構成されるグローバルインクルージョン評議会と地域インクルージョン評議会は、毎年のグローバルなインクルージョンとダイバーシティの優先課題の承認と支援を行います。地域インクルージョン評議会は、各地域の優先課題を決定します。 リーダー全員がグローバルおよび地域のインクルージョン&ダイバーシティツールを活用し、その職務と組織におけるインクルージョンとダイバーシティの実践に努めます。 インクルージョンERG(iERG)は、全社および拠点レベルで事業目標をサポートする人材の採用、維持、開発をサポートします。グローバルインクルージョン評議会のメンバーは、全員がiERGのエグゼクティブスポンサーです。 |
| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | グローバルインクルージョン評議会はシニアリーダーシップ委員会のメンバーで構成され、インクルージョンとダイバーシティの目標策定にあたります。 地域インクルージョン評議会はグローバル目標の遂行と地域目標の設定を行い、地域の優先課題について進捗を測定します。 シニアリーダーシップ委員会と地域インクルージョン評議会が決定したハイレベルの優先課題に基づき、リーダー全員で、その職務または組織の目標とターゲットを決定します。これには実践的なインクルージョン目標が含まれます。そして、これはリーダーのパフォーマンス目標の一部です。 |
| 進捗の評価と監視 | プログラムの継続的な改善のために、地域インクルージョン評議会と全リーダーは、よりインクルーシブな文化の構築のための改善に機会についてフィードバックを収集します。 ERGまたは地域インクルージョン評議会によって開発されて成功したイニシアチブは、全社レベルのグローバルインクルージョン評議会にエスカレーションされ、ベストプラクティスとして他の地域や全社への試験導入が検討されます。 グローバルインクルージョン評議会は、シニアリーダーシップ委員会のメンバーで構成され、四半期会議でグローバルインクルージョン&ダイバーシティチームによる年次進捗報告の検討を行います。進捗報告には、リプレゼンテーション指標、iERG指標、その他従業員および出口調査などによる進捗測定が含まれます。 四半期ごとに、4つの地域インクルージョン評議会のいずれかが、グローバルインクルージョン評議会に達成状況と進捗のプレゼンテーションを行います。 インクルージョン&ダイバーシティ担当VPは、グローバルインクルージョン&ダイバーシティチームを指揮し、シニアリーダーシップ委員会メンバーへの報告責任を負います。年1回、取締役会にダイバーシティリプレゼンテーション、iERG参画とプロジェクト、I&Dイニシアチブとプログラムなどの進捗を報告します。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | 人材開発は上司の責務であり、その戦略策定はエグゼクティブバイスプレジデント(EVP)と最高人事責任者(CHRO)が主に責任を負います。 グローバルタレント&学習センターオブエクセレンス(COE)は、従業員の獲得、エンゲージメント、能力開発について、リーダーにアドバイスします。 グローバルトータルリワードCOEは、従業員の採用、エンゲージメントと維持に不可欠な報酬と福利厚生プログラムの開発にあたります。 CHROおよびCOEのリーダーは、定期的に報酬&組織委員会とともに人材およびトータルリワードについて協議し、取締役会と年1回、人材開発の継続計画を協議します。 |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | グローバルタレント&学習COEとトータルリワードCOEは、戦略の実施により人材の獲得、エンゲージメント、能力開発、維持を行うためのアプローチを包括的な人材モデルの成長文化に定義します。 グローバル人材&学習COEとトータルリワードCOEは協力し合い、従業員のライフサイクル全体でプラスの成長を目指す経験を生み出すための、包括的なサービスとプロセスを実行します。これは、イートンでのキャリア構築における従業員エンゲージメントの競争力向上につながります。 |
| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 市場での競争力を高めるために、人材の獲得、エンゲージメント、開発、維持のターゲットに注力します。 成功の評価には、上記の成果に注目した主要パフォーマンス指標が用いられます。 チームは、採用候補者、新規採用者、採用チームへの調査から収集したフィードバックを慎重に検討して対応することで、チームの機能を継続的に向上させます。 |
| 進捗の評価と監視 | 従業員の聞き取り調査や正式な人材レビューなどのプロセスにより進捗を評価します。 従業員への聞き取り調査を通じて(採用から退職までの)従業員体験と、それが会社の成功に及ぼす影響を監視します。 リーダーシップ委員会は、グローバル人材&学習COEと連携して成果を監視し、それを将来のアプローチに活用します。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | 製品開発、R&D、イノベーションは、エグゼクティブバイスプレジデントと最高技術責任者の主な責務です。米国、中国、インド、アイルランド、チェコ共和国に企業研究チームが置かれています。データサイエンスチームがデジタルプラットフォームと機能の拡張に取り組んでいます。学術界、政府機関、研究インキュベーターを含む、堅固なパートナーエコシステムとの連携を図っています。 |
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戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理
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PROLaunchは、製品開発のコンセプト段階から生産開始までを含む、プログラム&プロジェクト管理プロセスの手引きとなる統合プロセスです。対象製品には、エネルギー効率を向上させて温室効果ガスの排出を削減するイートンの幅広い革新的な製品とソリューションが含まれています。 |
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| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 当社は、製品設計プロセスの一環として、環境上の懸念事項を継続して考慮しています。環境適合設計(DfE)は、製品の生産、流通、使用、生産終了までのライフサイクル全般における影響を縮小することを基本目的としています。 イートンでは、製品の影響を測定してお客様の持続可能性目標の達成を支援するために、持続可能な製品ポートフォリオの定義を進めています。持続可能なポートフォリオの基準には、低エネルギーおよび資源消費、低汚染、持続可能な開発目標への適合性、環境への影響の縮小などがあります。 |
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| 進捗の評価と監視 | 成功を評価するいくつかのKPIとして、R&D投資や特許数などがあります。イートンは、持続可能な製品ポートフォリオの開発を進めています。これは、生活と環境の質を向上させる製品に由来する収益の割合で評価されます。 2020年にKPIベースラインと持続可能な製品のポートフォリオが決定され、2021年に展開されます。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 |
製品、サービス、ソリューションの品質は、全社の品質ポリシーに記載のとおり、すべての従業員が果たす責務です。企業品質チームが部署を越えたリーダーシップを持ち、シニアリーダーシップ委員会のメンバーであるEBS&持続可能性担当EVPの方針に従い、品質担当VPの指揮下で業務にあたります。各事業部門をサポートする品質リーダーは、定期的にビジネスリーダーと協力して品質向上イニシアチブを推進します。 |
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| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | 品質機能チームの基盤となる品質管理システム(QMS)は、拠点のQMSリスクプロファイルを監視して評価するシステムです。製品の安全性などが対象です。リスクアセスメントの結果をもとに、品質に関する具体的な優先課題を設定して展開します。各拠点では、会社のQMS要件、業界標準と規制要件に従い、年次自己評価を実施します。さらに、QMS要件への継続的な適合を保証するための年次内部監査も行われます。顧客安全&品質評議会は、製品安全への懸念、是正措置、ベストプラクティスを管理するフォーラムで、全社レベルに展開されます。 |
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| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 事業目標全体を支持して品質機能チームが設定する品質目標は、シニアリーダーシップ委員会の指導を受け、CEOに最終承認されます。 | |
| 進捗の評価と監視 | シニアリーダーシップ委員会は定期的に、製品安全に関わるインシデントなど、品質パフォーマンスの成果を監視して評価します。 |
マネジメントの役割と取締役会の監視
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イートンビジネスシステム(EBS)&持続可能性担当EVPは、シニアリーダーシップ委員会(SLC)のメンバーとして、廃棄物削減、危険物質管理、水使用とエネルギーなど、気候および環境に関する問題について四半期ごとに報告を行います。SLCは取締役会メンバーを除いた最上位の委員会であり、会社とビジネス上の主要な問題について取締役会に直接報告します。 | |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | 気候変動問題やその他環境トピックなどの重要なリスクについて取締役会への報告を年1回行います。状況によりさらに報告回数を増やし、その他のリスクについても定期的に報告します。気候変動については、EBS&持続可能性担当EVPが、あらゆる局面を含めた役員会報告を年2回行います。 |
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| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 各部門のリーダーは事業部門と協力し、会社の戦略プランおよび収益計画プロセスと連携したリスク緩和プランを作成します。 温室効果ガス、水、廃棄物とエネルギー削減の長期および年間目標を設定します。これらの環境目標はCEOと会長の承認を受けます。 |
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| 進捗の評価と監視 | 温室効果ガス排出、水使用、埋立廃棄物について、事業部門、シニアリーダーシップと取締役会に四半期ごとに報告します。イートンは常に、効率性の向上と業務における再生可能エネルギーの活用を図る手法を学び、実践を広げたいと考えています。 イートンビジネスシステムを通じて、全社での継続的な改善とベストプラクティスの共有のための手続きを設けています。温室効果ガス(GHG)プロトコルと連動したカーボンアカウンティングにより、世界標準に則った手法を実践しています。 各事業部門からは毎年、環境オペレーションレビューと合わせて、環境パフォーマンスに関する報告がCEOに行われています。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | グローバル倫理およびコンプライアンスチームは、取締役会選出の役員およびシニアバイスプレジデントを中心に、経験豊富な米国弁護士と国際弁護士、その他の専門家で構成されています。最高レベルの可視性と独立性を確保するために、グローバル倫理およびコンプライアンスプログラムは、イートンの取締役会のガバナンス委員会によって直接管理され、イートンの上級管理職により、積極的かつ目に見える形で一貫してサポートされます。 |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | 会社の倫理およびコンプライアンスプログラムとパフォーマンスを定期的に評価し、ベストプラクティスや変化するビジネス環境に対する有効性を測定しています。 評価プロセスの中で、監査、調査、その他ツールを活用しています。 倫理およびコンプライアンスは、年次エンタープライズリスクマネジメント(ERM)の評価プロセスおよびシステムの構成要素でもあります。 各種ソースの収集データをもとに、トレーニングとコミュニケーション、コントロールおよびその他プログラム要素を含め、プログラムの継続的な改善を進めています。 すべての従業員に34ヵ国語で倫理規範を周知徹底することが目標です。 毎年の評価では、対象の従業員がイートンの倫理規範の原則を確認、理解して遵守していること、および1時間以上の倫理トレーニングを修了したことが、その上司によって確認されています。全従業員の確認と認定を目標としています。 |
| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 既存の監査と調査、および遂行、学習、適用を評価するその他のツールを活用して、コミュニケーションやトレーニング要素などの倫理およびコンプライアンスプログラムの効果を監視します。当社の内部監査チームは、倫理およびコンプライアンスに関する事項を定期的に監査対象に追加しています。また、急速に進化する規制環境を監視し、リーダーや従業員に対し、重要事柄に関する情報を常に適切に提供しています。 |
| 進捗の評価と監視 | 毎年、すべてのリーダーは、倫理規範とビジネスの正しい遂行の対面トレーニングを直属の部下に提供する必要があります。 コンプライアンスに関する重要な課題に対応する対象者に向けて、強力なオンライン年間トレーニングカリキュラムを実施しています。当社の規範とポリシーの適用方法に関する実践的なガイダンスの提供を目的として設計されたカリキュラムでは、汚職防止法、独占禁止原則、データ保護、グローバル貿易管理、ハラスメント防止、その他の主要な法律および規制分野を必須科目としています。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | 会社の従業員と環境への配慮は、すべてのリーダーの責務です。企業環境・健康・安全(EHS)チームは、各部門のソートリーダーシップとして、シニアリーダーシップ委員会メンバーであるEHS担当シニアバイスプレジデントの指揮下で業務にあたります。各事業部門をサポートするEHSビジネスリーダーは、EHS地域リーダーと定期的に連携して各拠点の活動を支援します。 |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | 拠点、地域、会社の各マネジメントレベルで、定期的にEHS関連のインシデントと傾向を検討、評価し、対応の優先順位を決定します。各拠点においては、ISO 14001およびイートン内部標準に対する適合度の自己評価を毎年実施します。各施設の内部監査が3年ごとに行われ、常に最高水準の運用標準を実施することが求められています。 |
| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 事業目標全般を支持してEHSチームが設定するEHS目標は、CEOの指導を受け、シニアリーダーシップ委員会の承認を受けます。 |
| 進捗の評価と監視 | シニアリーダーシップ委員会は、EHSの運用パフォーマンスに関して、重大な障害や記録可能なインシデント率などの定期的な報告を受けます。 EHSチームおよびシニアリーダーシップ委員会のメンバーであるEHS担当シニアバイスプレジデントは、EHSに関する各種事案を毎月、四半期ごと、および年1回、取締役会に報告します。 |
| マネジメントの役割と取締役会の監視 | サプライチェーンマネジメント(SCM)担当EVPが主導する「One Eaton」サプライチェーンマネジメントの理念には、イートンのコアバリューとビジネスの正しい遂行へのコミットメントが反映されています。サプライヤに対する当社の期待は、これらの規範の拡張と、責任ある調達活動に対する当社の共通のコミットメントとして作用します。 SCM担当EVPは、シニアリーダーシップ委員会のメンバーとして、イートンのサプライヤ管理と調達慣行に関するポリシーと手続きを監督します。 SCM担当EVPは、イートンのサプライチェーンマネジメント業務に関する重要事項について取締役会に定期的に報告します。 |
| 戦略的アプローチおよびリスクと機会の管理 | イートンのサプライチェーンマネジメント部門は、サプライヤが効率的かつ効果的に当社のビジネスをサポートできるよう対処するため、当社の供給基地と連携しています。SCMは、主に次の4つの目的を重視しています。
「One Eaton」サプライチェーンマネジメントの理念に従い、SCM組織では、重要物資などのさまざまなサプライチェーンのリスクを特定して緩和するために、毎年厳格な検査プロセスが実施されます。当社のリスク評価プロセスには、外部ソースのリスク調査、情報収集、およびリスク環境の内部調整が含まれます。リスクの確率と重大度をもとに評価を行い、それに対処する具体的な緩和策を決定します。 |
| 指標またはターゲットによるトピック関連のリスクと機会の評価および管理 | 問題レベルでリスクを特定し、ビジネス活動のあらゆる範囲で評価を適用します。特定された各リスクについて、特定の活動に基づいて、現在どのようにリスクを軽減しているかを説明します。このプロセスを四半期ごとにモニタリングし、変更点を明らかにします。 さらに、SCM はリスク特定と危機管理計画のガイドラインを確立しました。これらのガイドラインは、進行中の調達プロセスや既存のサプライヤの安定性を評価するために使用できます。ガイドラインの目的は次のとおりです。
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| 進捗の評価と監視 | サラプライヤに対しては、イートン標準の契約条件として、サプライヤ行動規範への同意と、規範の遵守と達成状況の追跡を求めています。また、すべての地方および地域の貿易管理規制を遵守することも求めます。 当社は、サプライヤサイト評価(SSA)プロセスを更新し、簡素化しました。このプロセスでは、サプライヤの不履行をより詳細に分析し、サプライヤのEHSおよびプロダクトスチュワードシップ活動の評価を行います。SSAの結果は、サプライヤの運用に存在する可能性のあるギャップを特定するためにレビューされます。特定された相違がある場合は、取り引き実施前に対処するための正式な是正措置計画が求められます。 |